私にはかつて、命がけで愛した女性がおりました。 彼女とは８年ほど前、大学のサークルを通じて知り合いました。 当初はお互いあまり意識してなかったのですが、 ちょっとしたキッカケで二人は交際をはじめました。 その時は毎日がとても楽しく、何よりも彼女と居る時が一番幸せでした。 それからまもなく私は東京の企業へ就職の為、上京しました。 彼女は私より1つ年下だったので、まだ卒業しておらず 地元に居て大学に通っていたのですが、卒業後は自分も上京したいと話していました。 そんな訳で私達は暫く遠距離恋愛という形で手紙やメールで繋がっていたのですが、 ある日突然、彼女が交通事故に遭ったという知らせがありました。 私はすぐさま有給をとり、病院にかけつけました。 彼女は手術を終え、病院のベッドで眠っていました。 私はその日、彼女の両親にお願いをし、彼女に一晩付き添いました。 その時、彼女は一度だけ眼を覚ましニコリと微笑んでくれました。 次の日、彼女の容態は急変し、まもなくこの世を去りました。 彼女の葬儀の日、私は彼女の母親にこう言われました。 「いずれ新しい人を見つけて幸せになって下さい。それがあの娘の願いです」 あれから７年、私は未だ彼女が忘れられません。 あの時、彼女の母親が言った言葉、それが彼女自身の言葉だとしても 私には彼女以外は考えられません。